海田茶について

海田についてABOUT KAITA

室町時代の諸国物産の書に「お茶は武蔵、山城、美作の国の産物」と記されており、岡山のお茶どころ美作・海田では、そのころからお茶が生産されていたと思われます。
静かな山里、緩やかな丘陵地に、茶畑が段々に連なり、水はけの良い大地に朝霧が立ちこめ、昼夕の温度差が大きく良質茶生産の条件が整った海田地区。
ここで生産されるお茶は、味と香りの良い海田茶として生産され、五月の新茶最盛期には、海田の茶畑は、鮮やかな黄緑色の新芽が一面に広がり、茶工場から茶葉を揉む爽やかな香りで、谷あいが包まれます。

海田茶の歴史と美作番茶HISTORY

茶摘み 番茶蒸し

県内で最も古い茶栽培の始まりは、美作の国真木山であると伝えられている。この寺は、今から約1,200年前に建てられ、その後、鎌倉時代には隆盛をきわめ、50有余の寺坊があり、当時の僧たちが盛んに飲用していたという。そのせいか、山麓の英田町、美作町、作東町は県内の主要産地となっている。
美作市海田地区とその周辺で、古くから作られてきた美作番茶は、別名「日干番茶(にっかんばんちゃ)」とも言われ、懐かしさを感じる味わいの番茶です。 室町時代から受け継がれてきたと思われる日干番茶は、一番茶を摘んだ後に伸びた枝葉を大釜で煮て、むしろに広げて天日干しにするもので、途中、乾き具合を見ながら、釜の煮汁を幾度か回しかけ、飴色に輝く茶葉に仕上げます。
以前は夏になると、海田中の家の庭先にお茶が広げられ、お茶をかき混ぜる乾いた音が響く光景がこの地区の日常でした。
高齢化により生産者が減少する中、荒れた茶畑も数多くあります。海田園黒坂製茶は全国的にも珍しいこの製法を今も受け継いでいくことで、海田の風景と伝統を後世に繋げていきたいと思っています。 また、日干番茶だけでなく、海田茶は緑茶としての評価も高く、海田園黒坂製茶は「岡山県茶品評会」において、数々の賞をいただいています。

海田園黒坂製茶について